マイスイートホーム② 〜旦那に言えない夜とラスボス出現〜

さて、土地も調査済み、設計図まで手に入れた私。
次なるミッションは、いよいよ旦那への報告です。

……が。

いざ2人きりになると、何から切り出していいのか分からない。
口を開こうとした瞬間、旦那はなぜかふっと消える。
ワープ?まるで話題を察知するレーダーでもついているのかと思うほど、タイミングが合わない。


うちの旦那、基本的に借金が嫌い
クレジットカードも“分割”と聞いただけで顔が曇るタイプ。
将来設計は堅実そのもの——いや、むしろ「守りのプロ」といっていい。

……のわりに、うちの実家のソファは毎晩独占状態
しかも誰よりもリラックスして、うたた寝までしてる。
あの光景を見ると「ほんとに肩身狭いの?」とツッコミたくなる。


旦那に言えずモヤモヤしていた私は、ついに母に相談。
母は昔から私の意見に98%賛成してくれる、心強いイエスマンです。

「いいと思う。子供たち大きくなったら部屋いるよね」
その一言で、どんなに救われたか・・

作戦名:「お母さんが言ってた作戦」お母さん、ごめんなさい。卑怯ながら

「お母さんがね、そろそろ家建てたら?って言ってたよ」

と、あくまでも家の主に言われてしまった体でさりげなく切り出してみた。

しかし旦那、即答。

「は?無理やろ。」

終了。


諦めきれず、旦那の“親孝行スイッチ”を押す作戦に切り替えました。

「義実家の土地よくない?年取ってきたら近くがいいけど、一緒には暮らしたくないし」と軽く誘ってみたら、

「あの車庫か!?狭いやろ!」……逆鱗。

そして極めつけは、私の口からこぼれた一言。「もう設計までしてみたんよね。」

——アウト。
完全にアウト。

旦那、沈黙。「は?勝手なことを・・・」


困り果てた私は、例の優しい営業マンに相談。
すると「僕が説得に行きます。「旦那さんの立場なら簡単に『はい買います』とは言えませんよ。
一緒に不安をひとつずつ解消していきましょう。」と。

ハウスメーカー車で1時間以上かかるのでさすがにそれは悪と、旦那にそれを伝えると営業マンの言うことはさすがに耳を傾けていました。さすが営業マンですね!


こうして私は、営業マン+実母+実父+旦那の4人を味方につけました。
次なるミッションは、いよいよラスボス=義父母問題

はい、忘れてましたよね。
建てようとしてる土地、義父母の土地ではなく義祖父母の土地

つまり名義が義父ではない。
しかもその相続をめぐって、義父と兄弟が絶縁状態という、地雷原レベルの関係。

義母の悪口を言ったとか言わないとか、
遺産がどうとか、もはやドラマです。

優しい義父は争いが嫌いで、
「もう兄弟とは話したくない」と言い切っていました。

つまり、もしそこに家を建てるなら——
義父が頭を下げてお願いすることになる。

……そんなの、できるわけがない。


◆そして、ふたたび白紙へ。

その頃から、義父の私への態度も少しずつ変化。
週1で通っていた義実家にも、なんとなく行きづらくなり、
気づけば計画は白紙に逆戻り

積み上げた努力が、カードタワーのように崩れ落ちる瞬間でした。

つづく。